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Image by Brooke Cagle

TYPE3 閉経後

〜今ある問題を主体的に解決する時期〜

この段階は、最後の生理〜約5年程度が経過している時期です。国際基準では、閉経移行期から閉経後早期までを更年期としています。最近の日本人を対象とした研究では、閉経年齢の中央値は52.1歳であり、75%が53.8歳までに閉経していたと報告されています(日本人の平均閉経年齢は約50歳です)。

 

この段階では、まだいくつかの症状を経験しますが、症状は徐々に弱まってくることが多いです。​一方で、認知機能や皮膚、髪の毛の変化に頻繁に気づくようになります。また、尿もれや頻尿、筋骨格痛(肩こり、腰痛、関節痛)も経験する方が増えるでしょう。

 

ただし、気分のむらは和らぐ傾向にあります。ほてりや寝汗も少しづつ軽減されてくるでしょう。腟の症状(痛みや乾き)は、最後の生理から2~3年後に現れる傾向があります。

なお、セルチェックで算出された簡略更年期指数(SMI)とは、更年期症状の有無や程度を把握する指数で、日本人の更年期女性特有の症状を反映したものです。指数の評価は以下のように分かれています。

 

0~25 点 ・・・ 上手に更年期を過ごしています。これまでの生活態度を続けていいでしょう。

26~50 点・・・食事、運動などに注意を払い、生活様式などにも無理をしないようにしましょう。

51~65 点・・・ 医師の診察を受け、生活指導、カウンセリング、薬物療法を受けた方がいいでしょう。

66~80 点・・・長期間(半年以上)の計画的な治療が必要でしょう。

81~100 点・・ 各科の精密検査を受け、更年期障害のみである場合は、専門医での長期的な対応が 必要でしょう。

アドバイス

この頃より女性ホルモンレベルは低い状態で推移するようになり、体は新しい状態に適応し始めていますが、完全に順応するまでには時間がかかります。以下のようないくつかの課題に対しては注意や対策が必要です。

・肌と髪:乾燥や弾力の変化、白髪と薄毛をより感じるようになっている方が多いと思います。十分な水分や、皮膚や粘膜の維持、爪や髪の健康の維持に有効なビオチンを、1日の摂取量を守って摂取することをおすすめします。

・頻尿や尿もれ:骨盤にも筋肉があり、年々筋力は低下します。子宮脱(骨盤の中にある子宮を支える靭帯が緩んでしまい、子宮の一部または全部が腟から脱出してしまう病気)にもつながることがあるので、骨盤底筋を鍛えることが重要です。

・関節痛:筋力の低下や軟骨のすり減りが原因で、以前に増して関節が痛むことがあるかもしれません。エストロゲンは天然の抗炎症作用があるため、エストロゲンが減少したり衰退したりすると、炎症がより起こりやすくなる可能性があります。これには、マグネシウム、グルコサミン、コンドロイチン、エクオールの摂取で改善されることがあります。

 

menopeerでは、サプリメントの活用や栄養管理についての相談も受け付けています。薬物療法以外の選択肢についても積極的に知識を得て、今ある問題に対して主体的に取り組んでいくことをおすすめします。

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小川真里子医学博士(東京歯科大学市川総合病院産婦人科准教授)監修

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