こちらは40歳女子のコラムニストが、本を読むだけでは分からない、更年期に対する率直な疑問や悩み事を専門家の方に相談するコーナーです。
専門家の方とお話する中で見つけた、更年期とポジティブに向き合うヒントや
皆さんに役立つ更年期対策情報を発信していきたいと思います。
今回お話を伺うのはmenopeer チームメンバーの一人で、NPO法人更年期と加齢のヘルスケアのシ
ニアメノポーズカウンセラーとしてもご活躍中の加藤久美子さんです。
■日本人の平均閉経年齢は50歳
前回、心と体のバランスが崩れやすい更年期に向け30代後半から40代にできることとして、ホルモンバランスの変化に柔軟に対応できる健康な体作りと自分の体の状態を把握しておくことが大事だということを教えていただきました。
更年期というと何となく50代くらいのイメージがあり、まだまだ先だと思っていました。
日本産婦人科学会の調査によると日本人の平均閉経年齢は50歳。更年期が閉経の5年前から始まるということは、大体の女性が45歳ごろから更年期に入るということに!
そう考えると更年期も自分にとって遠い未来のことではないんだなとグッと現実みを帯びてきました。
QUESTION
自分の体の状態を把握するためには何をしたらいいですか?
女性の心と体はホルモンの変動に大きく揺さぶられることを知り、更年期を楽しく過ごすために今から自分の体と向き合ってみよう!と決意する方は沢山いらっしゃるのではないでしょうか。
でも何から始めたらよいか分からないというのは私だけじゃないはず。
そこで今回は自分の体の状態を把握するために実際にどんなことをしたら良いのかを教えていただきます。
ANSWER
✔基礎体温をつけてみる
自分の体の状態を知るためにできることは大きく分けて2つあります。
一つ目は月経のことを記録すること。
月経周期・出血量、そして一番のポイントは基礎体温をつけることです。
■そもそも月経の仕組みとは?
最初に月経の仕組みを少しお話ししますね。
実は更年期のお話をする際、閉経間近で50代前後の方に月経のお話、つまり毎月女性がどのような女性ホルモンの影響を受けてきたのかをお話するのですが、案外今までよく知らなかったという方が多いんです。
通常、月経開始日より数えて次の月経開始までの期間のことを月経周期と呼びます。
月経周期の前半は月経の後にエストロゲン(卵胞ホルモン)というホルモンの分泌が増えて排卵を促します。排卵後の後半はプロゲステロン(黄体ホルモン)が分泌されます。もしその時に卵子が受精して子宮に着床しなければ、二つのホルモン量が急激に減少することで出血がおきます。排卵から次の月経開始までは14日でほぼ一定であることが多いです。そして、プロゲステロンが分泌される時期は体温が高めになるので、基礎体温を測ると一ヵ月の中で低温期と高温期があるのはそういう仕組みです。
■しっかり排卵はおきてる?
気にかけてほしいのは低温期→排卵→高温期のサイクルがしっかりあって月経が来ているのかということ。月経があっても排卵がなければプロゲステロン(黄体ホルモン)が分泌される高温期はみられません。排卵がなくプロゲステロンが分泌されていなくても出血起きます。ただし、それは無排卵月経の可能性が多く、出血のタイミングは短くなったり長くなったりすることがありますが、正常な場合もあるので要注意です。
基礎体温を測ることによって無排卵月経かどうかを自分で知ることができるのです。
閉経へのサインとして月経のうち一部が無排卵月経になり低温期のみだったり、プロゲステロンが充分に分泌されなくなり高温期が短くなったりするので、閉経のタイミングを予測する一つの助けになります。
■2つの女性ホルモンの役割とは?
2つの女性ホルモンの働きとして、エストロゲンは子宮内膜を厚くし、赤ちゃんがくるベットを用意します。プロゲステロンは、妊娠を維持してくれる役割とも言いますが、私は作ったベットをより柔らかくふわふわの状態にしてくれるものだと皆さんにお伝えしています。
私たちの子宮は約1ヵ月周期で新しいベットを作り、それを柔らかくし、必要がなければお掃除をするというサイクルを続けているわけです。排卵がなく、プロゲステロンが分泌されない場合、子宮内膜が柔らかくなっていないので、不要になったものを完璧に出し切れず、きれいにお掃除できていない可能性があります。それが続くと子宮内膜が徐々に厚くなり、子宮体がんにつながるとも言われています。子宮頸がんはウィルス性のものですが、子宮体がんはこうしたホルモンの変化の関係で40代後半から徐々に増加していきます。
無排卵の場合、出血量が少なかったり、突然増えたり、生理不順として症状が出ますが、他の病気の可能性も考えられますので自己判断せずに受診をしましょう。
※月経周期は人によって異なりますが、排卵後黄体期が14日続くというのはみんな一緒です。
月経周期の長さはエストロゲンが出ている期間がどれくらいかによって変動します。
■基礎体温は健康のバロメーター
自分の基礎体温が管理できると閉経のタイミングを知ることだけでなく、病気の発見や自分の体のことを把握する健康のバロメーターとして活用できるので、基礎体温を毎日つけるられるといいですね。
しかし更年期症状を起こしやすい方はまじめで几帳面という性格傾向があると言われているおり、基礎体温を測ることが逆に日々の負担になってはよくないので、無理のない範囲で選択肢の一つとして取り入れてみてくださいね。
■正しい知識を手に入れる
実は40代から閉経に向かって月経のリズムが乱れると知り、数か月前から月経周期管理アプリを携帯に入れ、月経周期を記録することで自分の体を管理できはじめていると満足していた私。
加藤さんのお話を伺うまで「排卵があってはじめてに黄体ホルモンが分泌されること」「基礎体温を測らないとちゃんと正常な月経がきているのか分からない」と知り、衝撃を受けました。
今まで何十年も自分の体で起きている生理の仕組みもしらずにここまで来てしまっていたのか(汗)。
基礎体温を記録するのは排卵日のタイミングを知りたい妊活時の話だと思っていましたが、自分の健康バロメーターの一つだということも学びました。
■アプリを使って基礎体温をつけはじめました
とっても面倒くさがりな私。毎朝基礎体温計測を続けられるのか疑問ですが、先日婦人用電子体温計を購入し、基礎体温を測りはじめてみました。
私が購入した婦人用体温計は体温を測ると、その結果を提携した体調管理アプリに自動転送してくれるというもの。アプリで自分の体温変化をグラフで確認することもできます。
自分で測った体温をどこかに再度記録するという手間が省け、基礎体温を測るハードルが少し下がったものの、早速測り忘れたりする日もあります。しかし加藤さんの「無理のない範囲で」という言葉をポジティブに捉え、まずは長くゆるーく基礎体温を記録していきたいと思っています。
コツコツ続けるのが苦手な人は毎日の健康管理に時間や手間を削減できるアプリなどをぜひ活用してみてください。
次回は自分の体の状態を把握するためのもう一つポイントをお伝えします。
執筆者:Yuka
40代。大学卒業後、デザイン関係の仕事に従事。5年間の海外生活を経て、現在日本で2人の子育て中。趣味は美味しいもの巡りと旅行。今まで旅行した国は43ヵ国。1年前からコロナ太りでダイエットを決意し、週一回、ジムで体をメンテナンス中。
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